元気よく鳴った、思い出のでんでん太鼓

真っ赤なでんでん太鼓との出会い

 わが子が誕生してちょうど一カ月ほど経った頃、週末で互いの家族の予定が合ったため、夫の氏神様にてお宮参りをしました。この日は、臨月にせっせと手作りしたベビードレスをわが子に着せていったのですが、たった一カ月違うだけで二の腕の辺りがパンパンになっている様子を見て、小さいながらすごい生命力で成長をとげている子の姿に感動したのを覚えています。神社に着いてからは、その上から祝着をかけてやりました。
 無事にお参りを終えると、いくつかの品を帰り際に手渡していただきました。お神酒、お供え、お守り、お札などが入っていたのですが、そこに真っ赤なでんでん太鼓が入っていました。ためしに左右に振ってみると、その名の通りデンデンデンデン!と勢いよく元気な音を立て、わが子のこれからを元気づけてくれるような気がしました。そののちに自分でも振ることができるようになり、子ども自ら太鼓を鳴らす姿はまだ感慨深いものがありました。

でんでん太鼓にはこんな意味がありました

 しかし、このでんでん太鼓にどういった意味があるのか、お恥ずかしながら私はよくわかっていませんでした。実際、お宮参りにも使用していませんでした。そこで、お宮参りの際に持たせていくでんでん太鼓など、小物類のもつ意味を調べてみました。
 お宮参り当日には、宮参り扇子、犬張り子、でんでん太鼓などの小物を子どもに持たせていくようです。それぞれには色々な意味合いがあって、まず扇子には、その形から末広がりの人生を祈る意味があります。犬張り子には、安産である犬にならってすくすく丈夫に育つことを祈る意味。そして、でんでん太鼓は魔よけの効果を持つ玩具であり、太鼓のように裏表無く育つことを祈る意味などがあると分かりました。こうしたことが分かるとでんでん太鼓の強く高らかな音が、なるほど魔よけの効果を持っているように感じられます。
 こういったことをきちんと学んでいくと、お宮参りの深い意味合いにより気付けて良かったな…と今は思います。